畑の農作物を食べられたり、住宅街に突然現れたりと、野生の猿による被害に悩まされている地域があります。
そんな猿を追い払う方法として、「エアガンは効果があるのか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
エアガンといえば、サバゲーで使用する玩具の銃というイメージが強いですが、実は猿の追い払い道具としてエアガンを紹介している自治体が存在します。
ただし、自治体が案内しているからといって、誰でも自由に野生の猿を撃ってよいわけではありません。
野生動物への危害や法律上の問題、周囲の安全など、知っておかなければならない注意点もあります。
この記事では、実際の自治体の取り組みを紹介しながら、次の疑問を詳しく解説します。
- 猿の追い払いにエアガンは効果があるのか?
- なぜ自治体がエアガンを紹介しているのか?
- 猿にBB弾を当てる行為は違法なのか?
- 人間とニホンザルはどちらが強いのか?
- エアガン以外に効果的な猿対策はあるのか?
サバゲーでエアガンを扱う立場からも、その危険性や限界を考えながら、安全で現実的な猿対策を紹介していきます。
猿をエアガンで追い払う事例は実際にある

結論からいうと、野生の猿を追い払うための道具として、エアガンを紹介している自治体は実際に存在します。
熊やカラスへの対策では、エアガンの使用を避けるべき理由が多くありますが、猿の場合は少し事情が異なります。
農作物への被害を防ぐため、地域ぐるみで猿を追い払う取り組みが行われており、その道具の一つとしてエアガンが紹介されているのです。
ただし、ここで重要なのは、エアガンによる追い払いと、猿を傷つける行為を混同しないことです。
自治体でもエアガンが紹介されている
例えば、愛知県豊川市では、猿の追い払いにエアガンなどを使用する方法を紹介しています。
さらに、電動エアガンの貸し出しも行っているため、単なる民間のアイデアではなく、自治体が実際に案内している対策方法であることが分かります。
滋賀県長浜市でも、猿の追い払い道具として電動エアガンやガスガンを紹介しています。
こうした取り組みの目的は、猿が人里や農地で簡単に餌を得られる状況を減らし、人間の生活圏へ近づきにくくすることです。
猿は学習能力が高いため、繰り返し追い払われることで、人間のいる場所を警戒するようになると考えられています。
誰でも自由に撃ってよいわけではない
自治体がエアガンを紹介しているからといって、個人が自己判断で猿にBB弾を撃ち込んでよいという意味ではありません。
野生鳥獣の捕獲や殺傷は、鳥獣保護管理法によって原則として禁止されています。
また、エアガンは玩具であっても、BB弾が人や動物に当たればけがにつながる危険があります。
特に住宅街や道路、公園などでは、周囲の人や建物への危険も考えなければなりません。
自治体による組織的な追い払いと、個人が勝手にエアガンを使用する行為は分けて考える必要があります。
猿の被害に困っている場合は、まず自治体の鳥獣被害対策担当窓口に相談し、地域で認められている対策方法を確認しましょう。
なぜ猿の追い払いにエアガンが使われるのか?

そもそも、なぜ猿の追い払いにエアガンが使われるのでしょうか。
その理由を理解するには、猿の学習能力と、人里に現れるようになる背景を知る必要があります。
猿は人間の行動や危険な場所を学習する
ニホンザルは学習能力が高く、人間の行動や周囲の環境を覚える動物です。
例えば、畑に侵入して農作物を食べても誰にも追い払われなければ、その場所を安全に餌が手に入る場所として覚えてしまう可能性があります。
反対に、人間がいる場所では繰り返し追い払われる経験をすると、その場所を警戒するようになると考えられています。
滋賀県長浜市も、猿は追い払う人と追い払わない人を記憶すると説明しています。
つまり、猿の被害を防ぐためには、単に驚かせるだけでなく、人里は安心して餌を食べられる場所ではないと学習させることが重要なのです。
ただし、猿の行動には個体差があり、人間に慣れてしまった猿が必ず逃げるとは限りません。
追い払いには継続性と地域全体の取り組みが重要
猿の追い払いは、一度実施すれば終わりというものではありません。
例えば、ある農家だけが追い払っても、隣の畑で簡単に餌を食べられる状態が続いていれば、猿はその地域に繰り返し現れる可能性があります。
そのため、農林水産省も集落全体で取り組む追い払いの重要性を説明しています。
地域で継続的な対策を行い、農作物や生ゴミなどの餌になるものを管理することが、被害の軽減につながります。
エアガンは、そのような取り組みの中で使用される道具の一つにすぎません。
大切なのはエアガンそのものの性能ではなく、地域全体で猿が近づきにくい環境を作ることです。
傷つけることと追い払うことは違う
ここは、サバゲーでエアガンを使っている方にも理解しておいてほしいポイントです。
サバゲーでは、参加者が安全基準を守り、ゴーグルなどの保護具を着用したうえでBB弾を使用します。
しかし、野生の猿は当然ながら保護具を着用していません。
BB弾が目などに当たれば、重大なけがにつながる危険があります。
また、猿を傷つけたり、必要以上に刺激したりすれば、予想外の行動を取る可能性もあります。
自治体がエアガンを紹介している場合でも、必ずしも猿にBB弾を命中させることを自由に認めているわけではありません。
追い払いの目的は、猿を傷つけることではなく、人間の生活圏への侵入や農作物への被害を減らすことです。
そのため、エアガンの威力や命中させる場所を考えるのではなく、安全性と地域の対策方針を優先する必要があります。
実際にエアガンでの猿の追い払いを案内する自治体の事例

ここからは、実際にエアガンを猿の追い払い道具として紹介している自治体を見ていきましょう。
今回確認できたのは、愛知県豊川市、滋賀県長浜市、香川県の3つです。
いずれも自治体の公式ホームページで確認できる情報ですが、案内している内容や注意点には違いがあります。
愛知県豊川市|電動エアガンの貸し出しも実施
愛知県豊川市では、野生の猿を目撃した際の対応方法として、エアガンなどを使用した追い払いを紹介しています。
市の案内では、周囲の状況やけがに注意したうえで、スターターによる音やエアガンなどを活用し、できるだけ複数人で追い払うことが説明されています。
さらに注目したいのが、市が電動エアガンやスターターの貸し出しを行っていることです。
ただし、貸出数には限りがあり、事前の問い合わせが必要です。
また、一人しかいない場合や危険を感じる状況では、無理に追い払わず、自分の安全を確保するよう注意しています。
エアガンの使用を紹介している一方で、安全に対処できない場合は距離を取ることも重視しているのです。
滋賀県長浜市|電動エアガンやガスガンを追い払い道具として紹介
滋賀県長浜市では、「ニホンザルの追い払い」という専用ページを公開しています。
このページでは、追い払いに使う道具の一つとして、電動エアガンやガスガンを紹介しています。
ただし、長浜市が特に重視しているのは、道具の種類ではなく、地域ぐるみで継続して追い払うことです。
猿は人間の行動を記憶するため、一部の住民だけが対策しても十分な効果が得られない場合があります。
また、農作物を食べられそうになったときだけ追い払うのではなく、地域全体で継続的に対応する必要性も説明されています。
エアガンなどの追い払い道具については、人に当たる危険があるため、周辺の安全確認を行うよう注意しています。
エアガンは追い払いの補助道具であり、地域全体の取り組みこそが重要だと分かる事例です。
香川県|玩具のソフトエアガンによる追い払いに言及
香川県では、群れから離れて行動する「ハナレザル」への対策を紹介しています。
ハナレザルとは、群れを離れて単独で行動する若いオスのニホンザルのことです。
こうした猿は山間部だけでなく、市街地や住宅地に現れることもあります。
香川県の公式案内では、猿を傷つけないよう注意しながら、玩具のソフトエアガンなどを追い払いに使用する方法に言及しています。
一方で、追い払っても逃げない猿や、逆に威嚇してくる猿については、刺激せず静かに離れるよう注意しています。
これは特に重要なポイントです。
猿が人間を恐れて逃げるとは限らず、人に慣れている個体では危険な状況になる可能性があります。
エアガンを使用する方法が紹介されていても、危険な猿に立ち向かうことが推奨されているわけではありません。
参考:香川県公式ホームページ|ハナレザルによる被害に遭わないためには?
自治体が紹介していても全国共通のルールではない
ここまで紹介した3つの自治体では、エアガンを猿の追い払い道具として案内していることが確認できます。
しかし、これらは全国すべての地域で自由に使用できることを意味するものではありません。
住宅街と農地では周囲の環境が異なり、猿の行動や被害状況によっても適切な対策は変わります。
また、エアガンを使用することと、野生動物を傷つけることは法律上も分けて考えなければなりません。
では、実際に猿に向けてエアガンを使用すると、どのような法律上の問題があるのでしょうか。
次の章では、鳥獣保護管理法を中心に、猿へのエアガン使用と法律の関係を詳しく解説します。
猿をエアガンで撃つのは違法?知っておきたい法律

自治体が猿の追い払い道具としてエアガンを紹介していることは分かりましたが、気になるのが法律上の問題です。
「農作物を守るためなら撃ってもよいのか?」「BB弾を当てなければ問題ないのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論として、エアガンを使った追い払いが紹介されていることと、野生の猿を自由に撃ってよいことは別問題です。
鳥獣保護管理法では野生鳥獣の捕獲・殺傷が原則禁止
日本の野生動物は、鳥獣保護管理法によって保護・管理されています。
環境省によると、野生鳥獣の捕獲や殺傷は、狩猟や許可を受けた場合などの例外を除いて原則として禁止されています。
ニホンザルも、この法律の対象となる野生動物です。
農作物に被害が出ている場合でも、個人が自由に猿を捕獲したり、傷つけたりできるわけではありません。
被害防止を目的とした捕獲などには、法律に基づく許可や適切な手続きが必要になります。
追い払いと猿を傷つける行為は分けて考える
ここで重要なのが、追い払いと殺傷の違いです。
猿を人里や農地から遠ざけるための追い払いは、必ずしも捕獲や殺傷を伴うものではありません。
しかし、エアガンでBB弾を発射し、猿にけがを負わせた場合には、鳥獣保護管理法などの問題が生じる可能性があります。
反対に、BB弾を命中させなければ、どのような状況でも問題ないというわけでもありません。
周囲の安全や使用場所、地域の方針なども考慮する必要があります。
「猿を傷つけなければ何をしてもよい」と自己判断しないことが大切です。
エアガンを使った対策を検討している場合は、自治体の鳥獣被害対策担当部署に確認しましょう。
住宅街や公共の場所では周囲の安全にも注意
農地で組織的に実施する追い払いと、住宅街で突然現れた猿への対応は大きく異なります。
住宅街には、通行人や子ども、自動車、住宅などが存在します。
そのような場所でエアガンを持ち出せば、猿だけでなく周囲の人にも危険が及ぶ可能性があります。
また、エアガンを持ち歩いたり使用したりする状況によっては、別の法令や地域の条例などが問題になる場合もあります。
猿が現れたからといって、安易にエアガンを持ち出すことは避けましょう。
猿の追い払いにエアガンを使う危険性

猿の追い払いにエアガンが使用される事例はありますが、危険性を理解しておく必要があります。
特に注意したいのが、猿の身体能力と予測しにくい行動です。
猿が興奮・威嚇してくる可能性
野生のニホンザルは、通常であれば人間を警戒することが多い動物です。
しかし、人間に慣れてしまった猿や、威嚇している猿が必ず逃げるとは限りません。
近づいたり刺激したりすることで、逆に向かってくる可能性もあります。
神奈川県でも、市街地で猿を見かけた場合は、近づいたり、大声を出したり、目を合わせたりしないよう注意を呼びかけています。
また、写真や動画を撮影しようとして近づく行為も危険です。
猿が逃げない場合は、無理に追い払おうとせず、落ち着いて距離を取ることが重要です。
人間とニホンザルはどちらが強い?素手で戦えば勝てる?
ここで少し気になるのが、人間とニホンザルの強さの違いです。
ニホンザルは人間より小柄ですが、実際に素手で戦った場合、人間の方が強いのでしょうか。
まずはニホンザルの基本情報を確認してみましょう。
| 項目 | ニホンザルの特徴 |
|---|---|
| オスの体重 | 10〜18kg |
| メスの体重 | 8〜16kg |
| 体の特徴 | 発達した犬歯、素早い動き |
| 主な危険 | 噛みつき、引っかきなど |
体重の出典:上野動物園|ニホンザル
一般的な成人と比較すれば、人間の方が体格や体重の面では有利と考えられます。
しかし、だからといって素手で安全に対処できるわけではありません。
ニホンザルは素早く動くことができ、特にオスは発達した犬歯を持っています。
宮城県東松島市も、ニホンザルのオスは犬歯が発達し、噛む力が強いと説明しています。
噛みつかれたり、引っかかれたりすれば、大きなけがにつながる危険があります。
また、ニホンザルは群れで生活する動物でもあるため、周囲に別の個体がいる可能性も考えなければなりません。
では、人間とニホンザルが実際に戦った場合、どちらが勝つのでしょうか。
残念ながら、その勝率を客観的に示す信頼できる科学的データは確認できません。
体格面では人間が有利でも、猿の素早さや犬歯による攻撃を考えると、無傷で対処できる保証はありません。
「人間の方が大きいから勝てる」と「安全に対処できる」は、まったく別の話です。
野生の猿と遭遇した場合は、強さを試すような行動を取らず、安全な距離を確保しましょう。
BB弾による人や動物へのけが
サバゲーを経験している方なら、エアガンが玩具であっても危険性を持っていることは理解しているでしょう。
サバゲーでは、安全基準を守ったエアガンを使用し、参加者はゴーグルなどの保護具を着用します。
一方、野生の猿は保護具を着けていません。
BB弾が目などに命中した場合、重大なけがにつながるおそれがあります。
また、発射したBB弾が意図しない方向へ飛び、人や物に当たる危険も考えられます。
そのため、猿対策として強力なエアガンを購入したり、威力を高めたりすることはおすすめできません。
エアガンだけでは猿の被害を解決できない
仮にエアガンによる追い払いが一時的に成功しても、それだけで被害がなくなるとは限りません。
庭や畑に餌となる農作物が残されていれば、猿が再び現れる可能性があります。
また、一部の場所だけで追い払いを行っても、近くに餌を得られる場所があれば、被害が別の場所で続くことも考えられます。
猿の被害を減らすには、追い払いだけでなく、餌の管理や侵入防止策を組み合わせることが大切です。
猿の被害を防ぐために個人でもできる対策

ここまではエアガンの効果や危険性について解説してきました。
では、エアガンを使わずに猿の被害を防ぐには、どのような方法があるのでしょうか。
農林水産省も、猿対策では餌となるものの管理や防護柵の設置、地域ぐるみの追い払いなどを組み合わせることが重要だと説明しています。
猿に餌を与えない
最も基本的な対策は、猿に餌を与えないことです。
野生の猿に食べ物を与えると、人間のいる場所で餌を手に入れられると学習する可能性があります。
また、人間に慣れることで、住宅地などへ繰り返し現れる原因にもなります。
かわいそうだからと食べ物を与えることは、結果的に人と猿のトラブルを増やしてしまう場合があります。
収穫物・生ゴミなどを放置しない
猿が住宅地や農地に現れる原因の一つが、餌となるものの存在です。
家庭菜園の野菜や果実だけでなく、収穫後に残された農作物、生ゴミなども猿を引き寄せる原因になります。
特に注意したいのは、次のようなものです。
- 収穫せずに残した果実や野菜
- 庭先や畑に放置した収穫物
- 屋外に置いた生ゴミ
- 収穫後に放置した傷んだ農作物
こうしたものを適切に管理することで、猿が近づく理由を減らせます。
家庭で取り入れやすい対策としては、フタ付きの屋外収納ボックスなども候補になります。
ただし、猿が簡単に開けられるものでは十分な対策にならないため、固定方法や施錠できる構造なども確認しましょう。
農作物を守るための対策を考える
農作物への被害が続く場合は、物理的に侵入を防ぐ対策も必要です。
一般的な防獣ネットやフェンスは、イノシシやシカには有効でも、登ることが得意な猿には十分な効果を発揮しない場合があります。
そのため、猿の侵入を防ぐ構造を備えた専用ネットや電気柵などが選択肢になります。
特に広い農地や被害が繰り返される場所では、長期的な対策を検討することが重要です。
ただし、電気柵には設置方法や安全上の注意点があるため、製品の仕様を十分に確認する必要があります。
地域や自治体と協力する
猿による被害は、一人だけで解決することが難しい場合があります。
例えば、自宅の畑を守っても、周辺に餌となるものが残っていれば、猿が繰り返し現れる可能性があります。
また、猿の群れが広い範囲を移動する場合、個人だけでは対応しきれないこともあります。
そのため、被害が続いている地域では、自治体の鳥獣被害対策担当部署に相談することが大切です。
自治体によっては、追い払い道具の貸し出しや、防護柵の設置に関する支援制度などを設けている場合もあります。
猿対策は、個人でできる予防と、地域全体で取り組む被害防止策を組み合わせることが重要です。
参考:農林水産省|地域のチカラで野生鳥獣から田畑を、地域を守る
それでは、実際に猿の侵入を防ぐためには、どのような防獣ネットや電気柵を選べばよいのでしょうか。
次の章では、普通の防獣ネットとサル対策用の電気柵の違いについて解説します。
猿対策には普通の防獣ネットより専用の電気柵が向いている?

猿による農作物への被害が繰り返される場合は、追い払いだけでなく、農地への侵入を防ぐ対策が重要になります。
そこで検討したいのが、防獣ネットや電気柵です。
ただし、猿は登ることが得意な動物のため、イノシシやシカと同じ対策では十分な効果が得られない場合があります。
猿はネットやフェンスを登れる
一般的な防獣ネットやフェンスは、動物の侵入を防ぐために設置するものです。
しかし、猿にはフェンスをよじ登ったり、跳び越えたりする能力があります。
そのため、普通のネットを畑の周囲に張るだけでは、上から侵入されてしまう可能性があります。
農林水産省も、猿対策では登る能力に対応した構造の防護柵が必要だと説明しています。
大切なのは、ネットの強度だけでなく、猿が登ったり飛び越えたりしにくい構造になっているかという点です。
サル専用ネット・電気柵の特徴
猿対策用の防護柵には、ネットと電気柵を組み合わせたものや、金属フェンスの上部に電気柵を設置するタイプなどがあります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般的な防獣ネット | 比較的安価で設置しやすい | 猿が登る可能性がある |
| サル対策用ネット | 猿の侵入を考慮した構造 | 設置方法が重要 |
| サル対応電気柵 | 接触時の電気刺激で侵入を防ぐ | 電源・安全管理が必要 |
| フェンス+電気柵 | 物理的な柵と電気柵を併用 | 初期費用が高くなりやすい |
本格的な農地対策では、猿の登る能力を考慮した電気柵が有力な選択肢になります。
一方、家庭菜園などでは、栽培規模や周囲の環境に合わせて対策を選ぶことが大切です。
購入前に設置場所・必要な資材・安全対策を確認
電気柵を購入する際は、セット内容を十分に確認しましょう。
商品によっては電気柵本体が含まれていなかったり、支柱や電線だけの資材セットだったりする場合があります。
また、電気柵には感電事故を防ぐための安全上のルールがあります。
経済産業省は、危険表示や電気柵用電源装置の使用、電源方式や設置条件に応じた漏電遮断器などの安全対策を案内しています。
一般家庭のコンセントから電気柵へ直接電気を流すような危険な使用は絶対に避け、専用の装置を正しく使用する必要があります。
猿対策に役立つおすすめ商品7選

ここからは、猿による被害を防ぐために役立つ商品を紹介します。
今回は、本格的な農地向けの電気柵から、家庭でも取り入れやすい防獣ネットや収納用品、屋外作業で使える防護用品まで7製品を選びました。
猿対策では、被害の状況や設置場所によって適した商品が異なります。
また、電気柵は完成セットと資材のみの商品があるため、購入前に付属品を確認することが重要です。
なお、グローブや保護メガネは防護柵の設置・整備などに使用するものであり、猿と直接対峙するための装備ではありません。
① アポロ AP-N3|サル対策用フェンス+電気柵100mセット
農作物への被害が深刻な場所で、本格的な侵入防止対策を検討している方に向いた商品です。
ワイヤーメッシュフェンスと電気柵を組み合わせた構造で、猿がフェンスを乗り越えて侵入することへの対策を考慮しています。
100m分のフェンスと電気柵本体、設置用の主要資材がセットになっている点が特徴です。
価格は高めですが、農地を囲むフェンスを新設する場合に候補となります。
ただし、使用する電源方式によっては電池や電源関連部品などが別途必要になるため、購入前に確認しましょう。
こんな人におすすめ:広い農地を守りたい人、本格的なフェンスと電気柵をまとめて導入したい人。
② アポロ AP-2011-SR|サル用ソーラー電気柵100m・7段張りセット
電源の確保が難しい農地で検討したい、ソーラー式の電気柵セットです。
サル対策向けの7段張り仕様で、電気柵本体のほか、支柱や電線などの設置資材が含まれています。
ソーラーパネルと専用バッテリーも付属するため、商用電源を確保しにくい場所でも使用を検討できます。
ただし、ワイヤーメッシュフェンスや防獣ネットそのものが含まれるセットではありません。
設置場所の地形や周囲の環境によっては、追加の侵入防止対策が必要になる場合があります。
こんな人におすすめ:電源のない農地で猿対策を考えている人、ソーラー式の電気柵を探している人。
③ タイガー エレキネット TBS-EN1150|サル対策用の通電ネット
ネットを登る猿への対策として検討したい、タイガーの通電ネットです。
高さ105cm、長さ50mのネットに通電用の線が組み込まれており、猿がネットをよじ登る行動を考慮した構造になっています。
通常の防獣ネットと異なり、電気柵用の電源装置と組み合わせて使用する資材です。
ただし、こちらは電気柵本体や設置に必要な資材がすべて含まれる完成セットではありません。
対応する電源装置や支柱などを確認し、設置環境に合わせて必要なものを揃える必要があります。
こんな人におすすめ:猿の登る能力に対応したネットを探している人、通電ネットによる侵入防止を検討している人。
④ シンセイ 猿ネット|4.5cm目合・3m×20m
比較的手軽にネットを使った対策を検討したい方に向いた商品です。
シンセイの猿ネットは、猿対策向けとして販売されている防獣ネットで、高さ3m、長さ20mのタイプです。
4.5cmの目合いで、設置時に使用できる張りロープが付属しています。
電気柵と比べて導入費用を抑えやすく、農作物の保護や既存設備の補助的な対策として検討できます。
ただし、猿はネットを登ることができるため、設置するだけで完全に侵入を防げるわけではありません。
ネットの張り方や周囲の環境を考え、必要に応じてほかの対策と組み合わせましょう。
こんな人におすすめ:費用を抑えて防獣ネットを導入したい人、農作物への補助的な侵入防止対策を考えている人。
⑤ アイリスオーヤマ WY-780D|鍵を取り付けられる屋外収納ボックス
猿を寄せ付けないためには、餌となるものを屋外に放置しないことが重要です。
アイリスオーヤマのWY-780Dは、フタ付きの屋外収納ボックスです。
約135Lの収納容量があり、市販の南京錠を取り付けられる構造になっています。
屋外用品などを整理し、猿が興味を持ちそうなものを管理する際の収納候補になります。
ただし、猿に対する防獣性能が保証された商品ではありません。
食品や生ゴミは、可能な限り屋内で保管することを優先し、屋外に置く場合は猿が開けたり倒したりできないかを考慮しましょう。
こんな人におすすめ:庭先の収納を整理したい人、屋外に置くものを管理したい人。
⑥ MECHANIX WEAR FAST FIT|屋外作業に使いやすいグローブ
防獣ネットの設置や屋外設備の点検では、手を保護するための作業用グローブがあると便利です。
MECHANIX WEARのFAST FITは、サバゲー用品としても知られるメーカーのワークグローブです。
軽量で動かしやすく、庭作業や荷物の運搬など、幅広い用途で使用できます。
サバゲーを楽しんでいる方なら、身近に感じられる商品ではないでしょうか。
ただし、猿の噛みつきなどを防ぐための専用防護用品ではありません。
こんな人におすすめ:防獣ネットの設置や屋外作業に使うグローブを探している人。
⑦ Bollé Safety RUSH+|屋外作業向け保護メガネ
最後は、防護柵の設置や整備などで使用できる保護メガネです。
Bollé SafetyのRUSH+は、軽量で視界を確保しやすい設計のセーフティグラスです。
防曇・耐傷コーティングを備えたモデルがあり、屋外作業中の飛散物などから目を保護する用途で検討できます。
ただし、猿への接近や対抗を目的とした商品ではありません。
また、サバゲーで使用する場合は、別途フィールドの安全基準に適合しているか確認する必要があります。
こんな人におすすめ:防護柵の整備や庭作業で使用する保護メガネを探している人。
猿対策用品は目的に合わせて選ぼう
今回紹介した7製品を整理すると、次のようになります。
| 重視するポイント | おすすめ商品 |
|---|---|
| 本格的な農地の侵入防止 | アポロ AP-N3 |
| ソーラー式の電気柵 | アポロ AP-2011-SR |
| 通電ネットによる侵入対策 | タイガー エレキネット |
| 比較的安価な防獣ネット | シンセイ 猿ネット |
| 屋外用品の収納・管理 | アイリスオーヤマ WY-780D |
| 屋外作業時の手の保護 | MECHANIX WEAR FAST FIT |
| 屋外作業時の目の保護 | Bollé Safety RUSH+ |
※商品の価格・在庫・付属品は販売店や時期によって異なります。購入前に最新情報を確認してください。
農作物への被害が続いている場合は、サル対応の防護柵を中心に検討するとよいでしょう。
一方、住宅地で時々猿を見かける程度であれば、まず餌となるものの管理や自治体への相談を優先することが大切です。
猿とエアガンに関するよくある質問

最後に、猿とエアガンに関する疑問をまとめました。
猿にBB弾を当てなければエアガンを使ってもよい?
BB弾を当てなければ、必ず問題ないというわけではありません。
野生動物への影響だけでなく、使用する場所や周囲の安全、地域の方針などを考える必要があります。
エアガンを使用した追い払いを検討している場合は、自治体の担当部署に確認しましょう。農家がエアガンを使っているのは違法ではないの?
自治体が案内する追い払い方法として、エアガンが使用される場合があります。
ただし、組織的な追い払いと、個人が野生の猿を傷つける行為は別です。
具体的な行為の適法性は状況によって異なるため、農家が使用しているからといって、誰でも同じことをしてよいとは限りません。自治体からエアガンを借りることはできる?
自治体によっては可能です。
例えば、愛知県豊川市では、猿の追い払い用として電動エアガンなどの貸し出しを案内しています。
ただし、貸し出しの有無や利用条件は自治体によって異なります。普通の防獣ネットで猿は防げる?
普通の防獣ネットだけでは、十分に防げない場合があります。
猿はフェンスやネットを登ることができるため、上部から侵入される可能性があるためです。
被害が続く場合は、猿の侵入を考慮した防護柵や電気柵などを検討しましょう。家の近くに猿が現れたら、どこに相談すればよい?
まずは、お住まいの市区町村の鳥獣被害対策担当部署や環境担当部署に相談しましょう。
猿が威嚇している場合や身の危険を感じる場合は、無理に近づかず安全を確保してください。
緊急の危険がある場合は警察への連絡も検討しましょう。
まとめ:猿の追い払いはエアガンよりも安全で継続できる対策が重要

今回は、猿にエアガンが効果があるのかという疑問について、自治体の事例や法律、安全な対策方法を紹介しました。
実際にエアガンを追い払い道具として紹介している自治体は存在します。
しかし、それは誰でも自由に猿を撃ってよいという意味ではありません。
猿の被害を防ぐために大切なのは、次のような取り組みです。
- 猿を傷つけるような安易なエアガン使用を避ける
- 農作物や生ゴミなどの餌を適切に管理する
- 被害が続く場合はサル対応の防護柵を検討する
- 地域や自治体と協力して継続的に対策する
また、ニホンザルは人間より小柄でも、素早い動きや鋭い犬歯を持つ動物です。
人間の方が体格で勝っているからといって、安全に対処できるわけではありません。
野生の猿と遭遇した際は、無理に立ち向かわず、刺激を避けて安全な距離を確保しましょう。
エアガンに頼るのではなく、猿が近づきにくい環境を作り、被害を継続的に防ぐことが大切です。